第1回:連珠って何?

 こんにちは。日本連珠社の河村です。このたび、連珠講座を書く事にしました。この講座を通じて連珠に興味を持ち、レベルアップにつなげていただければ幸いと思います。主にネットから入った方で、ある程度ルールについてはご存知の方を念頭に置いて書いていきたいと思います。まずは初級編ですが、テクニックと共に考え方についても述べていきます。これを読んで頂ければまた違った見方ができるのではないかと思っています。では、第1回。

連珠とは何?

 実はこの質問が一番難しいのです。対外的には「五目並べのルールを整備して競技として成立させたボードゲーム」という答えになるのでしょうが、もう少し本質のところを語らないと面白さがわかりません。私流に言えば、「連珠は盤上の格闘技である」とあえて言ってみせます。「勝負の感じが相撲に似ている」と言う方もおられます。一瞬の立会いの変化で負けたり、勝ったと思っても土俵際でうっちゃられたり、と確かに連珠に似ていますね。要は手数は短いが真剣勝負ということと、1手の内容が非常に濃いということでしょう。1 局あたりの平均手数は 40 手ぐらいと考えられますので、囲碁や将棋に比べて非常に短いのが特徴です。それだけ1手にかかる比重は重く、まさに1手1手が真剣勝負と言えるでしょう。命をすり減らして戦う格闘技に見立てているのはこのためです。

連珠と五目並べの違い

 五目並べのルールは地方によりいろいろあるかと思います。とあるゲームサイトでは以下のようになっています。

  • 黒白とも三々は禁止(打てないようになっている)
  • 四々は両方ともOK
  • 長連は無効

 要は特に規制はないが三々だけは遠慮しようという意味でしょう。ですので、相手に三々を打たせて勝つ、という発想はありません。

 例えば、次の例を見てみましょう。黒3までは斜月と呼ばれる形で、実戦でも良く打たれています。白4、6は一般的な防ぎですが、黒7から三を引き出し、黒9と打てば白10で X 点は三々禁で打つ事ができません。五目ルールではここで黒11に打つ発想はありませんが、この X 点はどうなるのでしょう?実戦ではいつの間にか禁点が解消して打てるようになってしまうことが多いのでしょうが、こういうあいまいな場所が存在すること自体ゲームとしては成り立ちません。連珠は五目並べのルールを整備し、黒白互角に争えるゲームとなっているので、最初から連珠のルールで打たれることをお勧めします。

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黒は四三、白は禁手で勝つ!

 連珠のルールでは、黒は四三でしか勝てません。つまり、黒は四三を作るゲームと言い換える事ができます。では、どうやって四三を作っていくかですが、それはこれからの講座でポイントを説明していきましょう。 また、白は四三でも、四々でも勝てますが、それと同じくらいに多いのが黒を禁手に嵌める(最近は極める(きめる)とも言います)打ち方です。黒に三々や四々、長連といった禁手を打たせて勝つ方法で、これがあるため連珠は非常に面白くなっていると言っても過言ではありません。そのため、白の打ち方は黒とはかなり異なってきます。最初の頃はわからないと思いますが、白の打ち方をマスターすれば、五目と連珠は根本的に異なると理解できるでしょう。

< 四三の例 >

A

< 四三の例 >

A

< 禁手の例 >

X

連珠は珠型から

 もう一つ五目並べとの大きな違いは、連珠は珠型(しゅけい)という形から始めることです。黒1を天元、白2をそのまわり、黒3をさらにそのまわりに打てば、何かしら珠型になりますから五目並べでも同じ事になる場合が多いのですが、考え方として3手目までを決め手からスタートする連珠とは違います。黒を持った人が黒3までの珠型を示し、白が黒白を決める三珠交替打ちが現在の公式ルールとなっています。しかし、ハンゲームではこのルールはできず、自由打ちとなっていますが、3手目までの形を意識して対局して欲しいと思います。もちろん珠型ごとに定石や必勝法がありますが、それはもっと後のことで結構です。最初から定石や必勝法を覚えるだけの勉強法はお勧めしませんし、たいていは覚える事が多くて挫折してしまいます。まずは実戦をたくさん打って楽しむことから始めることをお勧めします。

浦月(ほげつ)

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長星(ちょうせい)

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花月(かげつ)

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疎星(そせい)

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